しいたけ園←ブロッコリー

南波典子から『トーキョー・ボディ』共演者である久保優子さんへ送る日々の記録。
子育てのこと、仕事のこと、などなど。

久保さんからのお返事『しいたけ園→ブロッコリー』も、どうぞよろしく。

映画『3人、』見に来てくださった皆さま、ありがとうございました。
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新生活

久保さん、皆さん、おはようございます。

ちょっと、ごぶさたしておりました。

 

気がつけば、もうすっかり春です。桜が咲き始めました。息子の春休みはあっという間に終わって、昨日から学校が始まりました。2年生になりました。春休みらしい楽しいことは何もしてあげられなかった。ごめん、と面と向かって謝ったら「もう!」と怒りそうなので、本人には謝れないでいます。心の中で謝っています。

でも、何かを一緒に作る、という時間がほんの少しでも持てると、嬉しいですね。一度サンドイッチを一緒に作ったのと、粘土でお花を作ったのは、とてもいい時間だったな。

 

唯一の「おでかけ」は、新幹線に乗り、横浜の義母のお見舞いに行ったことで、これは息子にとっては楽しい旅行というのとはちょっと違ったかもしれませんけど、義母は明らかに「お」という顔で反応してくれて(会話はできませんでしたが)、お別れの時には手も少し振ってくれたので、ああ行ってよかったなと、思いました。

その後、薬が効いて、義母は今会話ができる状態になっているそう。よかった。

先はそれほど長くない、とか、もとの元気なお母さんには戻れないということが、わかっていながら、どこまでの処置を病院にしてもらうのか、どのような最期をお母さんに迎えさせてあげたらいいのか、というのが、家族にとっては本当に難しい選択で、夫も、義父も、揺れ動きながらの苦しい時間が続いています。病院や施設とのやりとり、役所の手続き、保険の手続きなど、全部夫と義父がやってくれていて、私はたまに息子を連れてお見舞いに行くだけで、これもまた、申し訳ない気持ち。

 

なんでこんなに忙しいのかというと、この春、勤め先が変わったのです。それで、通常の勤務日以外にも引き継ぎやら何やらがあり、新しい仕事場では今までやったことのない業務が年度始めにびっしりと詰まっていて、緊張や不安もあり、まったくもって、平常心ではいられない日々が続いているのです。でも昨日の仕事が終わって、やっと、「きっとなんとかなるぞ」という気持ちになってきました。ああ、ここまで長かった。引き続き、頑張ります。

 

本当なら、今頃ひとりの小さな赤ちゃんを抱いて、おっぱいをあげたりオムツをかえたりしていたはずなんです。だけどそうはならなくて、かわりに数百人の大きな子供たちと向き合う仕事をすることになりました。人生はどこでどうなるかわからないものです。今まで色々な仕事をさせてもらって、面白いことがたくさんありましたが、「職員室の席替え」とか、「着任式で挨拶」なんてことまで自分の人生の中に組み込まれるとは思っていませんでした。

 

着任式、他の先生方は皆さんスーツでしたが、私はそういうのは持ってませんので(必要性を感じないので)綿の白シャツとズボンで臨みました。自分の挨拶の番がくるまで生徒たちを眺めながら、いったいみんなは「離任式」「始業式」「着任式」の間に何十回「気をつけ!礼!」をさせられているのだろうかと、気の毒に思ってしまいました。私の挨拶の時には「気をつけ」なんてしなくていいよ、と思うけれども、横から号令がかかりますから、みんなやらないわけにはいきません。先生方の挨拶の口調も、色々ですけども、やはりビシバシと厳しい口調の方がいらっしゃいますから、こりゃいかん、なんとかしてみんなの「気をつけ」を崩さなければ、と思い、自分が出せる最大限の柔らかい声で、心を込めて、「皆さんに喜んでもらえるような素敵な本をたくさん揃えて待っていますから、ぜひ皆さん遊びに来て下さいね」と挨拶させていただきました。

さっそく放課後には数名の生徒が来てくれて、夕方には卒業生という子達も来てくれました。「やばくない? めっちゃ懐かしー」「やばいよね」「やばい、超やばい」「ベランダ懐かしー」「懐かしー、やばい」「超しゃべったよねベランダ」「しゃべった、超しゃべった、しゃべったし泣いた」「泣いた泣いた、泣いたよベランダ」「泣いたねー」「超やばい、ちょっと動画撮る」と。かわいかったです。「本なんか全然読まなかったー」と言っていたけど、それでも「ベランダで泣いた」思い出の部屋なのですね。これからの生徒たちにも色んな使い方をして欲しいです。本を読まなくてもいいんだよ。それも着任式で言えばよかったかな。

 

職員室の席替えというのがですね、これがまたものすごく面白かったですよ。先生方皆さん自分の持ち物をまとめて新しい席へ移動、ということをするのかと思ってたら、違うんですね。机ごと大移動するんです。こういう時に音頭をとる先生がいらして、「ほなこっちの島から行きまっせ、はい○○先生!」「次となり、○◯先生!」と言うと、その机ががーっと運ばれてくる。女性はその隙間をすりぬけて大掃除。一年に一度のことですからほこりがもうもうと舞い上がり、保健の先生が「どうぞ」「どうぞ」とマスクを配ってくださる。「掃除機の電源が入らない!」「コンセント抜けてるがな!」と、もうコントです。

 

こういうことがあると「ああ、面白い経験をさせてもらった、いい人生だった」と、つい締めくくりの言葉を言ってしまいそうになります。まだまだ死ねないですけどね。でもほんとに、色々なことをやらせてもらって、感謝です。引き続き頑張りますよ、ほんとに。

前の職場の皆さんからは、大きな花束や、新しい職場で使うエプロンや、手作りのとびだすカード(『からすのパンやさん』の!)や、たくさんの激励の言葉をいただいて、送り出していただきました。まだまだ不安もありますが、泣き言は言っていられません。頑張ります、マイペースで(そして大学の勉強も少しずつ…)。

 

今日はちょっとだけゆっくりします。そしてカンフーにも行く!

皆様もよい一日をお過ごしください。

 

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