しいたけ園←ブロッコリー

南波典子から『トーキョー・ボディ』共演者である久保優子さんへ送る日々の記録。
子育てのこと、仕事のこと、などなど。

久保さんからのお返事『しいたけ園→ブロッコリー』も、どうぞよろしく。

映画『3人、』見に来てくださった皆さま、ありがとうございました。
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『部屋に流れる時間の旅』
久保さん、皆さん、こんにちは。

昨日、今日と、また冬に戻ったかのような寒さです。皆さまお元気ですか。

先週もお芝居を見ましたが、今週、21日も、チェルフィッチュの『部屋に流れる時間の旅』を、京都で見てきました。
まだこれからご覧になる方がたくさんいらっしゃると思いますので、あまり、感想を書かない方がいいのかもしれないですけども…。
今年の3月11日に、「震災のあと、これから日本はもっといい国になるだろう、と思っていたけど、まだその気配はあまり感じられない」というようなことを、ここに書きましたけれども、そういう気持ちは、きっとたくさんの人が抱いていて、でも、その残念な気持ちを今、持てるということだけでも、ほんの少しは、震災をきっかけに私たちは生まれ変われたんじゃないかと、そうでも思わなければやっていけない、そのくらい残念な気持ちの中で、なんとか希望をつないで生きていかなければいけない、と、そんな気持ちをまたあらためて思い起こさせる、静かな、美しい演劇でした。
役者さん3人とも素晴らしく、いったいどんなことをしているのだろう(演技中に)と思いながら見ていましたが、アフタートーク(岡田さんと映画監督の濱口竜介さん)で演技についての話が聞けて、なるほどと思うことがいくつかありました。
でも、そういう演技そのもののこととか、久門剛志さんの舞台美術との関係の話とか、新しい試みがあり、その手法があってこの美しい舞台が成立するわけですけど、まずは岡田さんが描く物語の世界がとても好きだな、と、私は毎回思います。気持ちが良い、というわけじゃないのです。悲しみも襲ってくるけれど、何度も、また思い出すと思います。

話は変わって。
アフタートークで聞いた、演技についての岡田さんの言葉は、私が今勉強中のストーリーテリングに、生かせるだろうか、どうだろうか、無理やり生かしてみようか、と、考えながら、そのあとの数日間自分なりに試してみて、今日は勉強会で『かたやきパン』という、イギリスの昔話を、おはなしの会の皆さんに聞いてもらい、その後、講評もしてもらいました。
おはなしは、ずっとひとりきりの稽古なので、あれこれ試行錯誤しても行き詰ったり、不安だったりするわけですが、こうやって聞いてもらって感想もいただけると、「ああそうか」と新しい発見もあり、聞く人によって受け取り方が色々違うのだ、100人いれば100人全員に同じものが届くわけではないのだ、ということがよくわかって、鍛えられます。
まだ勉強をはじめたばかりなので、悩みすぎずに、とにかく練習しては聞いてもらい、練習しては聞いてもらい、と、やっていくしかありません。舞台でやっていたことが、生きる時もあるでしょうし、いったん捨てないといけないな、と思う時も、あるでしょう。まあ、とにかくやっていこう。
次はどんなおはなしを覚えようかな。ひとり稽古は寂しいですが、私が毎日やっていると息子が自然に覚えますから、『かたやきパン』も、息子が語ってくれることもあって、そうすると、そのおはなしのどんなところが面白いのかが、あらためてわかって、ありがたい。これからも、息子が嫌がらない程度に、聞いてもらったり、語ってもらったりしようと思います。

息子は6歳臼歯というのが生えました。今まであった奥歯の奥に、新しい歯が。最初に出てくる大人の歯、永久歯です。まず前歯が抜けて、そこに初めての大人の歯が生えてくるのかと思っていたら、違うのですね。こんなの、自分の時のことはすっかり忘れていますね。
赤ちゃんで、最初に歯が生えてきた時も嬉しかったですが、大人の歯が生えてきた、というのも、親としては本当に嬉しく、しかも一年生になる直前の、この時期ですしね、お、いよいよだね、って感じです。息子もとっても嬉しそうにしています。

最近は長新太さんの『世界のあいさつ』という本を読んでいます。日本ではおじぎをするけれど、よその国では、相手の匂いを嗅いだり、おいおい泣いたり、相手の手の甲を自分の額にくっつけたり、ワッハッハと笑ったり、と、不思議な挨拶があるようです。息子と一緒に真似して楽しんでいます。お気に入りは、相手の顔を見ないようにして、パン、パン、と手を叩く、タンザニアのトングェ族の人たちの挨拶。あまり真似したくないのは、相手の手につばを吐き掛ける、東アフリカ、キクユ族の人たちの挨拶。息子が私にやってきたので、思わず「こらー」と言ってしまいました。私もやり返せばよかったわ。

皆さまよい夕刻をお過ごし下さい。
 
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